次の南北朝時代から室町時代は、南朝と北朝、室町幕府と鎌倉公方、三管領四職等、中央も地方も対立軸が多数あり、戦乱が頻発する時代であった。ゆえに日本刀も大太刀や野太刀といった大振りで長刀、殺傷能力の高い剛刀が広く普及し。
上級武士だけではなく足軽などの下級武士にも普及していった。大振りでも抜き易くするため先細りの形状にする工夫も見られ、打刀の形状に近づいていく。戦国時代に入ると歩兵(足軽)密集型の戦闘方法が確立され、戦闘時のスピードも重視された。
当然ながら大太刀のような大振りで重量のある日本刀では適応できなくなり、打刀のようなコンパクトで軽量な日本刀の需要が高まっていった。
打刀は鞘を腰溜にしたまま抜けるように、刃を上にして脇に差す。刀身が先反りなのも素早く抜くための工夫である。