日本刀にまつわる言葉としては、「鍔迫り合い」や「抜き打ち」など、刀そのものや動きを表す言葉が多く残されています。しかし同じくらい、日本刀を打つ時の鍛冶場からの生まれているのです。有名なものでは、「相槌を打つ」です。
鍛冶場で刀を鍛える時には、まず師匠が刀に槌を打ちます。そこに弟子がリズムを合わせて」次の槌を打ち、というのを繰り返していき、二人一組で交互に刀を打っていきます。
慣用句としての「相槌を打つ」は、相手の言葉に的確に反応・合いの手を入れることを指しますが、このリズムを合わせる動きである「相槌」からきているのです。
この相槌ですが、上手くいかないときには音が揃わなくなってしまい、変な響きになってしまいます。この「トン・チン・カン」という調子外れな音を指して、ちぐはぐな反応をする人のことを「トンチンカン」、当て字で「頓珍漢」と呼ぶようになりました。