刀身彫刻の工程とは

刀の製造工程には非常に感覚的な要素があり、その完成品は一本一本異なります。そのため、刀工による彫刻には様々な思いが込められていて、それは実用的な思いから、宗教的な思い、個人的な思いなど、様々です。
刀工が本格的な彫刻を施すようになったのは、江戸時代からです。なぜなら、江戸時代には刀は武具としてではなく美術品として見られる傾向が強かったためです。そして、刀工と彫師の仕事が分業されていきました。
現代では、刀工になるためには、今いる刀匠に頼み、定められた期間、修行を受けて、さらに文化庁が主催している研修会の試験に合格し、文化庁から作刀承認を頂かなければ、なれません。しかし、刀身彫刻の彫師はそのような資格は必要なく、プロかそうでないかは自称するかしないかに依るのみとなりました。しかし、その腕を周りに認められるまでには、最低でも5年かかります。それは、刀身彫刻の工程である、下絵描き、アタリ、荒彫りや切下げ、上彫り、磨きという一連の工程が非常に難しいからです。

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