雑兵に貸す日本刀

戦国時代に、金で雇った傭兵を「雑兵」と呼びます。

武士というのは殿様と主従関係を結んだ人たちのことで、殿のために戦うひとたちです。

けれど合戦となると家臣だけでは数が足りません。なので浪人や農民などに力を借ります。

そんな彼らに支給される日本刀がナマクラだったとか。

斬りつけたり、突き刺したりというのはなんとかできたそうですが、刃が折れたり曲がったりと散々なものも多かったそうです。

傭兵といっても、軍事のスペシャリストではありません。忍者部隊のような人たちがくるわけでもないのです。

合戦に参加しようとする浪人や農民は、食事の支給や金が目的だったり、負けたら逃げればいいぐらいに考えている人も多かったそうです。敵味方関係なく倒れた武士の鎧なんかを剥ぎ取って売り飛ばすこともできますし。

とにかく忠誠心など欠片もない人ばかりで、そもそも武器である日本刀を持っている人など皆無です。それでも合戦ともなると日本刀を渡さないわけにはいきません。そこで雇い主は「お貸し刀」と呼ばれるなまくら刀を渡したと言います。

それでも雑兵の数が増えてお貸し刀すら足りなくなると、棍棒を与えたそうです。

合戦には、とにかく数が欲しかったのでしょう。

彼らの当時の様子を記した「雑兵物語」という絵ものがあるのですが、そこには、兜を鍋の代わりにして米を炊いている姿や、刀を水平に差している姿が見られます。

鎧も体を守ってくれないだろうなという感じです。

国会図書館のデジタル文庫で見ることができます。字は読めないのですが挿絵は楽しめました。

包丁の親戚みたいな刀で合戦に行かされるのも辛いですが、武士の心とか、武士道とは無縁の人たちにとって、日本刀はただの刃物だったのかもしれませんね。

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